9 相続税

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1 相続って何なの? 2 相続手続きの流れ 3 誰が相続人?そして、相続分は? 4 遺産分割手続について
5 相続放棄と限定承認 6 寄与分・特別受益とは 7 遺留分・遺留分減殺請求 8 相続による名義変更手続き
A 不動産 B 預貯金 C 自動車
9 相続税について 10 生前贈与と贈与税 11 相続廃除について 12 相続欠格について
13 死因贈与とは?



<相続税について>     

<基礎控除額の計算方法>

<その他の控除>      
 ○配偶者への税額軽減   
 ○未成年者控除       
  ○障害者控除          
  ○債務控除           

<みなし相続財産>     
 ○生命保険金、損害保険金 
 ○退職手当金         

 <相続税について>
  バブルの絶頂期は「相続対策」という言葉が頻繁に聞かれたものですが、この不況の折、も
そういう言葉もあまり聞かなくなったように思います。もちろん、この「対策」というのは、「税金
対策」のことです。
 さて、相続税というと、「払えないので物納した」とか「土地を売って払った」などという話も耳に
すると思います。しかしながら、実際に相続税を払わねばならない人は、全体の5%程度であ
ると言われています。つまり、残りの95%の人は、非課税ということなのです。

 その理由を知るには、相続税のしくみを知らねばなりません。
まず、相続税には、基礎控除というものがあって、相続財産の合計額がこれに達しない場合、
非課税となります。
 基礎控除の額は、法定相続人の人数によって決まります。

<基礎控除額の計算方法>

基礎控除額=3000万円 + (600万円×法定相続人の人数)

です。

 例えば相続人が配偶者と、子2人のの合計3人だったとします。
とすると、

  基礎控除額=3000万円 +(600万円×3人)=4800万円

となります。そうしますと、相続財産が4800万円以上でなければ、相続税は課税されないとい
うことになります。

 ちなみに、上記の法定相続人の数には、相続放棄をした人も含みます。
ですから、相続人の1人に全部を相続させるために、他の相続人が全員相続放棄をした場合
でも、基礎控除額は変わりません。

 なお、養子がいる場合は、制限があるので、注意が必要です。
・被相続人に実子がいる場合・・・・・算入できる養子は1人まで。
・被相続人に実子がいない場合・・・算入できる養子は2人まで。

 これは、養子の数を無限に認めてしまいますと、亡くなる直前に養子をどんどん増やしていけ
ば、相続税も無限に控除できてしまうことになります。それを防ぐためです。

 もちろんこれは、相続税の控除についての制限ですから、養子が何人いようとも全員が法定
相続人となり、相続権はあります。

 ただし、さらに例外があります。
配偶者の連れ子を養子にした場合や、※特別養子については、制限は無く、実子と同様に無
制限に算入できます。

 ※特別養子・・・6歳未満(8歳未満で6歳以前から引き続き養親となるものに監護されている場合もOK)の子を
          家庭裁判所の手続により養子とするもの。その他、いろいろと条件がある。

<その他の控除>
 基礎控除のほかに、何種類かの控除があります。そのうちのいくつかをあげます。

配偶者への税額軽減
 被相続人の配偶者が、実際に受取る財産の額が、次のどちらか多い金額までは相続税は
かかりません。
(1) 1億6000万円
(2) 配偶者の法定相続分相当額

 つまり、配偶者が法定相続分以下で遺産をもらう場合は、その額がいくら多くても相続税は
かからないことになります。

例えば、相続人が配偶者と子ども2人で、遺産総額が40億円だった場合。
配偶者が20億円分相続するとなると、これに対しては非課税です。子どもたちの、10億円ず
つに対しては、しっかりと相続税がかかります。

 結局、その配偶者が亡くなった時は、その子どもたちが、20億円に対する相続税を払うとい
うことになります。これは、相続税の徴収が世代交代をしたときになされるものという考え方が
根底にあるからです。配偶者の非課税というのは、徴収の先送りということなのです。

未成年者控除
 成年になるまでのまでの間の養育費・生活費を、税制面でカバーしようという趣旨。

   6万円 × 20歳までの年数

障害者控除
 社会的弱者である障害者に対して、扶養義務者の死後の生活安定のための優遇措置。

   6万円 × 70歳までの年数(一般障害者)
  12万円 × 70歳までの年数(重度障害者)

債務控除
 被相続人の債務額や未払いの公租公課、葬式の費用などです。

控除できるもの
 ・各種ローン ・借入金や銀行の当座借越 ・求償できない保証債務 ・未払医療費
 ・事業の買掛金、未払金、未払給料 ・敷金などの預り金 ・未納の所得税、住民税、
  固定資産税など
控除できないもの
 ・墓地、仏壇などの非課税財産にかかる未払金 ・求償可能な保証債務

葬式費用で控除できるもの
 ・通夜、告別式の費用 ・遺骨等の回送費用 ・埋葬、火葬、納骨の費用 ・お布施、戒名料
 ・遭難などの捜索、遺体運搬費用 などなど

葬式費用で控除できないもの
 ・墓地、仏壇などの購入費 ・香典返しの費用 ・初七日、四十九日などの法会の費用
 ・死体の解剖費用などの医学上・裁判上の費用 などなど

<みなし相続財産>
 相続税法においては、法律的には相続財産とならないものでも、実質的に相続した場合と同
じ経済効果のあるものは、相続により取得したものとして、相続税の課税財産とみなしていま
す。以下のものがあります。 
 
生命保険金、損害保険金
 被相続人の死亡により受取った生命保険金、損害保険金(死亡により支払われるもの)。  
     
退職手当金
被相続人に支給されるべきであった退職手当金、功労金などで、被相続人の死亡後3年以内
に支給が確定したもの。
相続人が取得したの非課税額  
 
死亡保険金・退職手当金等の非課税限度額=500万円×法定相続人の数
 
<相続税の申告>
  遺産分割協議書などにしたがって、相続税を算出し、相続の開始した日(死亡した日)から
10カ月以内に、故人の住所地の所轄税務署に申告し、納付します。 


よくわからない、面倒くさいと思ったら
TEL:090-1126-9432 FAX: 03-5812-4182 または メールにて、お問い合わせください。

行政書士マルケン事務所 所長 福本健一宛


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