行政書士 マルケン事務所
TEL:090-1126-9432
遺言には、「特別方式」と「普通方式」という二つの形式があります。
特別方式の遺言は、「死亡危急時遺言」「難船危急時遺言」「一般隔絶地遺言」「船舶隔絶地
遺言」といったごく限られた状態のものであり、通常に使用する方式ではありません。
一方、普通方式遺言は「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の三種類です。
通常作成されている遺言のほとんどは、自筆証書遺言または公正証書遺言のどちらかです。
<普通方式の遺言>
●自筆証書遺言
全文自筆。証人は不要。封印は自由。裁判所の検認手続きが必要。遺言者本人が自筆で
書き(ワープロ書きは不可)、日付を記入し、押印するだけで作成できます。
最も簡易に作れる反面、偽造や変造、隠匿、本当に遺言者の筆跡なのか・・・などの問題
が生じる可能性があります。さらに、形式不備や不明瞭な文字、記載された財産が特定できな いなどの理由で、せっかくの遺言が無効となる危険もあります。
また、原則的に自身で保管することになるので、紛失や盗難の虞もあります。行政書士な
どの第三者に預けるか、銀行の貸金庫を利用することをお勧めします。
※検認・・・家庭裁判所に請求する。勝手に開封すると、5万円以下の過料。
−無効となる例−
・日付が曖昧
「二〇〇五年七月」 「二〇〇五年七月吉日」などいずれも不可。
「二〇〇五年七月一五日」のように、具体的な年月日を記入すること。
・加除・訂正の方式違い
「六分の二」を「六分の一」に訂正したいときは、
一
一字削除一字追加 「六分の≠」
↓ ↓
この文言は必須 訂正する文字を斜線で消し、傍らに正しい文字を書く。
※文字を間違えたら、すべて書き直すほうが確実です。
ワープロで作成したものを見ながら、自筆で書くというのも、有効な方法でしょう。
−トラブルになりやすい例−
・抽象的な相続分の指定
「相続財産の2分の1を○○○に遺贈する」とあったとしても、ぴったり半分と分けられないこ
ともあります。その際、何をどのように分けるかによって、紛争も起こり得ます。相続財産をしっ かり調べ、何を誰に相続させるのかを具体的に記述することをお勧めします。
・使用する文言による不都合
例えば@「A農地を○○○に遺贈する」とA「A農地を○○○に相続させる」と書いたケース。
@の場合はたとえ受遺者が相続人であっても、登録免許税は不動産価額の2%になります。
Aならば、0.4%で済みます。
※平成18年3月31日までは特例として、遺贈は1%,相続については0.2%です。
また、@は都道府県知事の許可が必要ですが(包括遺贈の際は不要)、Aならば許可は不
要ですから、登記の際も、手続上Aの方がメリットが大きいと言えます。
●公正証書遺言
公証人役場にて公証人が作成(口述筆記)。証人が2人以上必要。
作成された遺言書は、記入のミスがないことはもちろん、公証人役場の金庫に保管されるので
偽造や変造、隠匿などの心配はありません。また、実際相続が開始したときに、検認手続は 不要です。
デメリットとしては、手続きがやや煩雑で費用もかかること、遺言の内容を公証人や証人に
知られてしまうことなどがあげられます。 しかし、それをカバーしてありあまるメリットが、この公 正証書遺言にはあると言えるでしょう。
当事務所でも、公正証書遺言をお勧めしております。
※行政書士が証人となった場合は、法律で職務上の守秘義務が厳格に課されているため、外
部に秘密が漏れる心配はありません。
●秘密証書遺言
自筆・代筆・ワープロ・タイプライターいずれによる作成も可。
公証人役場にて、公証人1人、証人2人以上の立会いのもと、遺言書の入った封書を提出し、
自己が遺言者であることを申述します。遺言の内容を秘密にしておける遺言です。
なお、家庭裁判所の検認手続きが必要となります。
<遺言の取り消し>
遺言の内容は、遺言者の自由な意思によっていつでも全部、または一部を取消すことがで
きます。
−遺言の全部を取消したい場合−
@ 遺言書を破棄または焼却する。(自筆証書遺言の場合)
A 「二〇〇三年七月一五日作成の遺言は全部取消す」などの内容の、
別の遺言書を作成する。
B 新しい内容を記載した遺言書を作成する。
※この場合、日付の新しい遺言が優先されます。
−遺言の一部を取消したい場合−
@「二〇〇三年七月一五日付遺言中の×××の部分の遺言は取消す」などの内容の、
別の遺言書を作成する。
A一部を訂正した新たな遺言書を作成する。
※この場合、日付の新しい遺言が優先されます。
よくわからない、面倒くさいと思ったら
TEL:090-1126-9432 FAX: 03-5812-4182 または メールにて、お問い合わせください。
|